Thursday, February 2, 2012

科学的に「流行」を予測し、予防する方法(TED)

僕はTEDが大好きで、podcastをipodに入れていつも移動中に見ているのですが、最近聞いた中で特にへぇ~とおもったのがあったので、紹介します。

講演はこちら->Nicholas Christakis: How social networks predict epidemics



病気や流行、考え方などは、人から人へとつたって集団内に分散していきます。最近では、エジプトでのデモがありましたね。集団内のそれぞれの人は、思い思いに不満を持っていたはずですが、「デモをやろう」、「立ち上がろう」という「考え」が爆発的に広がることがなければ、人々が協調してデモに向かう現象はおこらなかったはずです。エジプトでは、FacebookやTwitterなどのいわゆるsocial netoworkサービスが、重要な媒体となったといわれていますね。



演者のクリスタキス氏はこのような、集団内を、人を介してモノが伝わる現象を研究しています。特に講演では、ある大学のキャンパスでの風邪ウィルス感染の「流行」を従来よりも早く検出した実証実験を紹介しています。ここでは、FacebookやTwitterと違って、人と人とのつながりは物理的ですし、伝わるのは「病原菌」なのですが、対象とする事象が「人を介して伝わっていくもの」であるかぎり、応用が可能なのだそうです。



氏の研究のミソは、「人と人のネットワークにおける「要所」をみつけて、そこでアンテナを立てる」ことです。お互いに情報をやり取りするノード(節、この場合は個人)がつながったネットワークでは、「ネットワークの端」よりも「ネットワークの中心」にいた方が情報が早くもたらされます。



「ネットワークの中心」にいるノードは、要するに「友達がたくさんいる人と友達であるノード」です。どれだけ友達が多くても、その友達がすべて友達の少ない人であれば、そのノードは「端」になります。逆に、友達が普通の数でも、その友達の人たちが、たくさん友達のいる人ばかりであれば、そのノードは「中心」に位置します。



これは、数学的に定量化することができ、こうして求めた「中心に近い」ノードを重点的にモニターしておけば、集団で何か情報なり行動が流行し始めとき、いち早くそれを知ることができます。氏は、「中心に近い」学生を幾人か選んで、彼らに定期的に健康状態を電話で報告してもらうなどしてモニタリングし、風邪の流行をいち早く知ることができることを確認しました。





なんとこの方法は、検出だけでなく、流行の予防にも応用できるそうです。例えば、集団全体の30%にあたる「中心に近い」ノードに予防接種を実施すると、ランダムに集団全体の96%に予防接種を実施するのと同等の予防効果が得られるらしいことがわかりました。



この方法の難しいところは、「中心に近い」ノードを見つけるには、ネットワークの「地図作り」が必要となり、これが非常に大変で難しいところなのですが、クリスタキス氏はこの問題を克服する面白い方法を見つけました。



ランダムに集団内のノードを選び、それぞれのノードに友達を紹介してもらうと、その「友達」集団は、元のランダムに選んだ集団よりも、ネットワークの中心に近い集団となります。これは、ネットワークの中心に近いノードはたくさんのノードからコネクションがきているので、ランダムに紹介してもらうと、中心に近い人の方が名前が挙がりやすいからです。



この方法を使うと、手間のかかるネットワークの「地図作り」をしなくても、流行を効果的に検出したり、予防したり、逆に流行を引き起こすことができるようになります。



クリスタキス氏はマラリア流行国での「蚊帳」の流行を作り出すためなどに使えると話していましたが、政治やビジネスの世界ですごく注目されそうな研究ですね。少し恐ろしい気もしますが、かしこく利用すれば本当に応用範囲の広い、強力な技術だと思います。




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